ペットトリマーという職業は動物と触れ合う事が3度の飯よりも大好き!という人には転職だと思います。
勤務時間中、大好きな動物と触れ合っていられるというのは動物好きには最高ですよね?
では実際にトリマーとして働くにはどうすれば良いのでしょうか?
資格は必要なの?規則や決まりはどんなものがあるの?といったペットトリマーという職業について詳しくご説明していきたいと思います。
ペットトリマーとは?
ペットトリマーというのは簡単に言えばペットの美容師さんです。
犬や猫のトリミング(刈り込み、手入れ)をするのでトリマーと呼ばれます。
トリマーという呼び方が一般的なのですが、グルーミング(手入れ、身繕い)をする人という意味でグルーマーと呼ばれる事もあります。
トリマーはペットの毛のカットは勿論、ブラッシングやシャンプー、爪切りや耳掃除などペットの身だしなみに関することは何でも請け負って
おしゃれな可愛いペットを仕上げるプロです。
トリマーに資格はあるのか?
ペットの美容室と聞くと、やはり資格が必要だと思う人が多いのですが、実はペットトリマーという職業には公的な資格はありません。
意外なのですがペットに関する職業の中で国家資格が存在するのは獣医だけなんです。
じゃあ誰でもペットトリマーになれるの?というと、誰でもなれるというのが事実です。
例えトリマーとしての経験が全く無いままペットの美容院を開いてペットトリマーを名乗っても法律的には何の問題も無いのが現状です。
ただ、開業は自由だとしても、全くの素人が経験も技術もないのに突然ペットの美容院を開いてビジネスとして成功するかどうかは別問題ではあります。
やはり、人の美容室と同様に技術は必要ですし、技術のないトリマーは淘汰されて行く運命になると思うのでトリマー養成をしている専門学校に通ったり
ペットの美容室で働きながら技術を磨いていって独立するという流れが一般的になっています。
またペットトリマーには資格は不要なのですが独自にペットトリマーの資格を設けている団体もあります。
JKC公認トリマー資格
ジャパンケンネルクラブ(JKC)が設けている公認のペットトリマー資格があります。
ジャパンケンネルクラブは日本政府が認可している唯一の公益法人の犬種クラブです。
その圧倒的な信頼性があるのでJKCの公認資格は公的な資格に準ずる資格と認識されているので、JKCの公認資格を取得すると
就職でも優位になりますし、独立開業したとしてもお客様から大きな信頼が寄せられると言われています。
このJKC公認資格は実技と学科試験で構成されているのですが、誰でも受験出来るというわけではありません。
JKC公認資格の階級 | |
階級名 | 受験資格 |
C級 | ・独学かペット美容室などで働きながらJKC会員として 2年以上在籍しJKC主催の試験を受験 ・JKC公認の専門学校で1年の過程を終了後、その学校の試験を受験 |
B級 | C級資格を取得してから2年以上経過しブロック試験に合格 |
A級 | B級資格を取得してから3年以上経過しブロック試験に合格 |
特A級 | 推薦 |
教士 | 年齢満30歳以上、A級を取得してから5年以上経過しブロック試験に合格 |
師範 | 推薦 |
上記のように、JKCの公認資格には細かい基準があるので、JKCの公認資格を持っているとそれだけでペットトリマーとしての信頼が一段アップすると言っても実際に言い過ぎという事はありません。
JKCの資格取得試験は毎年年1回開催されていて、自分の居住する地区のブロック事務局に申し込むことで受験することが出来ます。
JKCブロック区分 | |
北海道ブロック | 北海道 |
東北ブロック | 青森/岩手/秋田/宮城/山形/福島 |
北関東ブロック | 栃木/群馬/茨城 |
千葉ブロック | 千葉 |
埼玉ブロック | 埼玉 |
東京ブロック | 東京 |
神奈川ブロック | 神奈川 |
北陸甲信越ブロック | 山梨/長野/新潟/富山/石川 |
中部ブロック | 静岡/愛知/岐阜/三重 |
近畿ブロック | 福井/和歌山/奈良/滋賀/京都/兵庫 |
大阪ブロック | 大阪 |
中国ブロック | 岡山/広島/山口/鳥取/島根 |
四国ブロック | 香川/愛媛/徳島/高知 |
九州ブロック | 福岡/佐賀/長崎/熊本/大分/宮崎/鹿児島/沖縄 |
全国のブロック区分は上記を参照してください。
専門学校の資格
トリマーを養成する専門学校のなかには独自の資格を設けて、学校を卒業する卒業生に付与をしているという学校もあります。
学校にもよるのですが、基本的に専門学校の付与する資格というのはJKC公認資格のような対外的に通用する物ではないことが殆どです。
というのも学校が付与する資格というのは、その学校内での技量の目安という意味合いが強いからです。
当然、学校によってレベルは様々ですし、審査のポイントも様々ですので専門学校が付与した資格を全て同一レベルとして考える事は出来ないというのが実際の所です。
なので、一般的に通用する資格を取得したい場合はJKC公認の資格を取得するというのが確実な方法です。
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ペットトリマーの責任とは?
ペットトリマーはお客様のペットの毛をカットする事を依頼され引き受けるという事から法律的に民放632条の請負契約に該当します。
この契約は一定の仕事の完成を約束して交わされるものなので、ペットトリマーにはお客様の注文通りのカットを完成させる義務が生じます。
ペットの美容院には個人経営の場合と会社が従業員を雇って経営している場合がありますが、個人でも法人でも関係なく請負契約は成立します。
このトリマーの責任という意味で、実際に起こりやすいトラブルを見ていきたいと思います。
カットの完成度トラブル
ペットトリマーの仕事の中で問題が生じやすいのはカットが注文通りじゃないといったトラブルです。
カットが飼い主の希望通りではなかったというトラブルは多く、支払いの拒否をされる事もあります。
この場合というのは、トリマーがどこまで具体的な注文を受けていたのかで対応は変わります。
お客様がイメージ写真を持参してきて具体的な希望を伝えていた場合にはトリマーはその通りにカットする責任が生じます。
例えばお客様の希望が『短く』という説明のみだった場合は実施に短くカットしていれば、それがお客様のイメージとは違っていてもカットは完成していると言えます。
具体的にイメージ写真を持ってきているお客様の希望に対して同じカットが出来ないという場合や修復困難な結果になった場合は契約の解除を主張されてカット料金の支払いを拒否されても文句は言えません。
ペットに傷をつけてしまったケース
カットは勿論、シャンプー後のドライヤーなどもペットに傷を負わせる可能性はあります。
カットではハサミでペットの体を傷付けてしまったり、ドライヤーで毛を焦がしてしまうとか、火傷を負わせてしまった場合は損害賠償の対象になる場合もあります。
トリマーは当然、お客様のペットに傷をつけない注意をする義務があるので、それをしてしまった場合は瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)を負います。
瑕疵担保責任というのは損害賠償責任と瑕疵修補の責任が規定されています。
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さいごに
ペットトリマーというのは華やかなイメージで憧れるという人も多いのですが、他人のペットを扱うという意味で
計り知れない責任を抱えている事を忘れてはいけません。
資格もないまま始めようと思えば誰でも始める事はできるのですが、トリマーというのはとても大変な職業だと認識しましょう。
例えば、お客様の連れてくるペットはみんな大人しくしているとは限りません。
逃げようとしたり、暴れたりする事も珍しくないですし、どんな状況でも基本的に失敗はあってはいけません。
トリマー志望者のうちの9割は挫折するなど失敗すると言われています。
理想と現実のギャップに耐えられなくなったり、カットミスなどの失敗がつづいて廃業するなどケースは様々ですが
アナタがペットトリマーを目指すのならしっかりと覚悟を持って開業する事を強くお勧めします。