フワッと振ったりピンと立てたり何だか不思議な猫のしっぽですが、しっぽの役割や秘密について考えた事ってありますか?
ここでは猫のしっぽにスポットライトを当てて猫のしっぽのひみつや役割を見ていきたいと思います。
猫のしっぽは感情を表す?
しなやかに伸びる長いしっぽや丸くて短いしっぽと猫のしっぽにはいろいろな形がありますが猫のしっぽというのはただのシンボルではありません。
猫のしっぽは歩いたりジャンプをする時にバランスを取るという役割があります。
この役割はとても重要で高い所を歩く時に体の向きに合わせてしっぽで巧みにバランスを取る事で落下せずに歩けるんです。
そして猫のしっぽは私たち人間にとっては猫の感情を読み解く重要な部分です。
猫は犬と違って感情を表さないと言われますが、そんな事はありません。
猫はちゃんと感情表現をしているのに私たちが気付いていないだけなんです。
しっぽの振り方で猫の気持ちがわかる
例えば猫のしっぽの振り方には2パターンあって、左右にゆっくりとゆらりゆらりと振っている時というのは満足してくつろいでいる状態です。
振り幅が大きくブンブン素早くしっぽを動かしたりしている時というのは不機嫌な時です。
犬は機嫌が良い時には元気にしっぽを振ってアピールしますが、猫は犬とは反対です。
ブンブン激しくしっぽを振っている猫は機嫌が悪いので注意しましょう。
しっぽを膨らませる理由
猫がタヌキのようにボワッとしっぽを膨らませるのは何かに驚いた事によって興奮状態になっている時です。
子猫なんかはタンスから物が落下しただけで驚いてすぐにしっぽがボワッと膨らみます。
驚いて興奮状態の時だけでなく猫は警戒していたり相手を威嚇する時にもしっぽを膨らませます。
しっぽを膨らませる事で少しでも体を大きく見せようとしているんです。
そして最も注意して欲しいのが『膨らんだしっぽの先を丸めている時』です。
この逆U字のような状態の時というのは猫が攻撃モードになっている事を示しています。
この時の猫の心理としては怖いけど攻撃してしまおう!という状態なので、ひっかかれないように、むやみに猫を刺激したり触らない方が良いでしょう。
しっぽを立てる理由
猫がしっぽをピンと立てる仕草は見た事があると思いますが、よーく観察すると立てたしっぽに微妙な違いがあって、その違いによって猫の気持ちも違うんです。
猫がアナタのところへ来る時にしっぽをピンと立てて近づいてくるのはアナタへの敬愛のあらわれです。
しっぽを立てるというのは本来、子猫が母猫に甘える時の行為です。
子猫は母猫のもとへ行く時にはしっぽをピンと立てて『ニャー』と甘えた声を出して行きます。
どうして子猫は母猫に甘える時にしっぽを立てるのかというと”母猫にお尻を舐めてもらうため“と言われています。
生まれたばかりの子猫は自力で排便出来ないので母猫にお尻を舐めて刺激してもらって排便を行います。
この時の甘えの名残が残っていると言われています。
大人になっても信頼し尊敬する相手の所へいくときには自然としっぽを立てるのです。
ですので猫がしっぽを立ててアナタに近付いていくという事はアナタを信頼し慕っているという事なんです。
立てたしっぽをピクピク動かしているのは猫が見慣れない物を見て興味津々で好奇心が刺激されている時です。
また、猫は敵対心がないという気持ちも、しっぽを立てる事で表明します。
猫同士がすれ違う時などにしっぽを立てて揉め事を起こすつもりはないという事をアピールします。
しっぽをお腹の下に巻き付ける理由
猫は何かに怯えてしまうと、しっぽをお腹の下に巻き込んでしまいます。
しっぽをお腹の下に巻き込んでいる時というのは恐怖心があらわれている証拠。
服従の意味も込められていて、猫同士の喧嘩でも劣勢の猫やボス猫に喧嘩を売られた猫はお腹の下にしっぽを巻き込む姿をよく見せます。
完全にビビっている状態なので、しっぽを隠す事で体を小さく見せて自分は小さくて弱いのでイジメないで下さいというアピールなんです。
座った状態でしっぽの先を動かす理由
猫が座った状態でしっぽの先を動かしている時というのは考え事をしている時です。
猫にとっては重大な考え事をしているのかもしれませんので、こんな時はそっとしておいてあげましょう。
猫のしっぽの不思議
まだまだある猫のしっぽに関する不思議や疑問について掘り下げて書いていきたいと思います。
意外と知らない猫のしっぽに関する情報があるかもしれません。
猫のしっぽの役割は何?
猫のしっぽには3つの役割があると言われています。
①ジャンプや着地の時に体のバランスを取る
②他の猫と気持ちを伝え合う
③肛門を隠す
猫の驚異的な跳躍にもしっぽが大きく関係しています。
高い場所にジャンプする時や地面に着地する時にはしっぽを高く上げてバランスを取ります。
フェンスなど細い所を歩く時にはしっぽを舵のように巧みに操ってバランスをとります。
そして意外と知られていないのですが、しっぽで肛門を隠す事で、そこから分泌されるニオイの拡散を防いでいます。
野生時代には自分のニオイを拡散させてしまっては敵に居場所を伝えているようなものなので、ニオイを拡散させない事で身を守っていたんですね。
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寝ているのに名前を呼ぶとしっぽの先を動かすのは何故?
うとうとしている猫に向かって名前を呼ぶと、しっぽの先だけをピクピク動かす事はありませんか?
これは猫が飼い主の呼びかけに応えたいという気持ちのあらわれです。
本当は飼い主の所へ行きたいけれど、眠い。
でも返事はしておこうという猫のお返事なんです。
眠くて行けないけれど聞こえているよという猫なりの気持ちです。
しっぽを床にバンバンするのは何故?
猫がしっぽを床にバンバンと叩きつけるのは不満をぶつけたい時や興奮気味の時です。
苛立っているけれど怒りをどこにもぶつけられない時に見せる行動で、しっぽを激しく床に叩きつける事で苛立ちを解消しようとしているんです。
窓の外を見ながらしっぽを降るのは何故?
猫が外を見ながらしっぽをブンブン振っている時は外に猫の狩猟本能を刺激する何かがあって気分が高揚しているからです。
鳥などの獲物を目にしたのかもしれません。
目の前の鳥を捕まえたいという欲求が溢れイライラしている事もあります。
しっぽが短い猫は気持ちを表現出来るの?
しっぽが短い猫はお尻を震わせて気持ちを表現します。
しっぽが短い猫は当たり前ですが長いしっぽを持つ猫のようにしっぽを巧みに操れません。
ただ、しっぽにも神経が通っているので脳から伝わる指令によって、しっぽを動かす事は出来ます。
しっぽが長い猫と同じように、しっぽを動かすという指令はだされているのでしっぽの付け根の辺りに力が入ります。
それがお尻を震わせているように見えるんです。
自分のしっぽを追いかけるのは何故?
猫が自分のしっぽを追いかけるのは、ただ遊んでいる場合もありますが、不安や何らかの葛藤を落ち着かせようとしている場合もあります。
その場合『常同障害』と言って頻繁に自分のしっぽを追いかけ回すようなら問題行動の場合があるので、動物病院に相談しても良いです。
しっぽの付け根をスリスリしてくるのは何故?
これは親愛の気持ちを飼い主に伝えたいからです。
猫のしっぽの根元付近には猫同士だけで感じ取れるフェロモンを出す臭腺が多くあります。
猫はこのフェロモンを飼い主にこすりつける事で安心します。
猫は本来警戒心が強いので、心を許した相手にしか体をくっつけません。
なので猫にしっぽの根元をスリスリされるというのはアナタに対して親愛の感情を抱いているという事になります。
地域によってしっぽが違うって本当?
本当です。ある野良猫の調査結果があり、その調査結果によると猫のしっぽの形には明らかな地域差があったそうです。
短くては曲がった『尾曲がり』というしっぽは全国的に見ると本州の南西部に集中し東北部では少ないそうです。
猫のしっぽまとめ
猫のしっぽは私たちが思っている以上に色んな事を表現していて、いろんな役割を持っています。
寝転びながらパタパタ動かしていたら『退屈なんだな』とか猫のしっほを観察すると面白いです。
猫のしっぽで猫の気持ちを読み取れるようになれば、もっと猫と仲良く接する事が出来たり、猫の事が愛おしくなっていくのではないでしょうか?