普段、猫と暮らしていても意外と猫の体の基本的なデータというのは知らない飼い主さんも多いのではないでしょうか?
猫の体の基本的なデータを知っておけば急な病気の前兆にも気付ける可能性が高まりますし、猫の体調の変化に敏感になる事は極端に言えば愛猫の命を救うという結果にも結び付きます。
猫の体の基本データは?
猫の基本的な体のデータを知っておくと健康管理に役立つのは『体温・心拍数・体重』です。
猫の平熱や正常時の心拍数、平均体重を把握しておくという事は意外と重要な事です。
『なんだか具合が割るそうだなぁ、熱でもあるのかな?』と思っても猫の平熱を知らないと実際に発熱しているのか判断が出来ませんよね。
そんな事がないように、まずは猫の基本的な体のデータを見ていきましょう。
猫の平熱は何度なの?
猫の平熱は38~39℃。ただし高齢猫は0.5℃程度低くなる場合があります。
猫の平熱は人間で言えば高熱になる38℃~39℃です。
体温と言うと高熱ばかりに目が向きがちなのですが、実は体温が低いというのも問題です。
私たち人間の平熱である36℃~37℃程度の体温は猫にとっては低体温と考えられます。
38℃~39℃が平熱だと覚えておいて1℃以上体温が高かったり、反対に1℃以上体温が低い場合には、すぐに受診すらるようにしましょう。
【上手な体温の計り方】
猫がリラックスしている状態の時に後ろ足の付け根に体温計を挟んで検温しましょう。
また正確に計りたい時は肛門で体温を計測する方法が良いです。
ペット用の体温計の先端部にオイルを少量垂らして肛門に2センチほど入れて計ると正確な体温を計る事が出来ます。
猫の心拍数は?
猫の心拍数は安静時に1分間に100~160拍です。
正常な猫の心拍数は安静時1分間に100~160拍が目安になります。
ただ、この心拍数というのは個体差によって違いが大きいので普段、健康な家に愛猫の心拍数を把握しておくという必要があります。
心拍数は激しくうんどした後や興奮している時は上がるので、猫がリラックスして寝ている時などに測るのが良いです。
とは言っても万が一猫の心拍数が200拍より高い場合は発熱していたり、心臓の病気などが疑われますし、反対に極端に心拍数が低い場合は何らかの原因で脱水状態になっている事が疑われます。
【上手な心拍数の測り方】
猫の心臓というのは胸の少し下に位置しています。
ですので、猫がリラックス状態の時に立たせて脇の下から両手で10秒間拍動をカウントして下さい。
何も1分間測る必要はないので10秒間で出た拍動の数に6を掛けると1分間の心拍数が算出出来ます。
猫の平均体重は何㎏?
猫の平均体重はオスは4~5㎏、メスは3~4㎏です。
猫の健康の維持に最適な適正体重は猫の種類や筋肉量によって個体差はあるのですが目安はオスが4~5㎏でメスが3~4㎏です。
自分の愛猫の適正体重をハッキリと知って把握したいという場合は動物病院で判断してもらう事をオススメします。
体重の管理はマメに行った方が良いので毎月1度は体重チェックをするのが理想的です。
1ヶ月で体重が10%以上増減している場合は愛猫の健康に目を光らせてあげて下さい。
特に食欲は変わらないのに体重が落ちているという場合は何らかの病気を疑って下さい。
【上手な体重の測り方】
猫の体重の測り方で一番簡単な方法は、飼い主さんが最初に自分の体重を測って、次に猫を抱っこして体重計に乗ります。
そこで出た数字から飼い主さんの体重を引くと猫の体重が算出されます。
猫が大人しく体重計に乗ってくれるなら、猫だけを体重計に乗せてそのまま体重を測ってしまうのも良いです。
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猫の体のパーツの特徴
猫の体にはそれぞれのパーツに猫特有の特徴を持っています。
猫の体というのは全身がとても機能的に出来ていて、そのどれもが大切な役割を持っています。
猫の体の優れた機能や特徴を探っていきましょう。
猫の柄の特徴は?
突然変異で様々な柄が誕生したんです。
もともと猫の柄は外敵から見つかりにくいように茶色っぽい、しま模様でした。
ところが、突然変異によって全身真っ白な猫や真っ黒な猫など様々な毛色が生まれてきたんです。
真っ白や真っ黒というのは自然界では目立ってしまうので、もともとはなかった色なんです。
猫の目の特徴は?
猫の目は夜行性なので暗いところでも良く見える
猫は元来、夜行性なので僅かでも光があれば暗いところでも目が良く見えるんです。
猫の目の意外と知らない秘密と豆知識!で猫の目について詳しく書いていますが、猫は暗い場所でも良く目が見えるのですが視力自体は弱いです。
あまり遠くが見えないのですが(20メートル以上先はぼやけてます)それは止まっている物を見る場合だけです。
動く物には敏感で、例え50メートル先でも動きさえすれば鋭く反応します。
自分の視野の範囲内で動く物は50メートル先にいても捉えて逃がしません。
猫の耳の特徴は?
猫は驚異的な聴力を持っています。
猫の五感の中で最も優れている器官が聴覚です。
猫の耳がどれだけ優れているのかは[猫の耳は驚異的!驚きの能力と意外な事実とは?]で詳しく書いていますので参考にしてみてください。
猫の耳の最大の特徴は左右の耳を別々に動かす事で、まるでパラボラアンテナのように音源を探ります。
この音源探しは猫が得意とする能力でほとんど誤差なく音の出所を正確に捉える事が出来るんです。
猫の鼻の特徴は?
猫は人間の数万倍もにおいに敏感で様々な事をにおいで察知します。
猫は味覚がそこまで発達していないので食べ物が危険か安全かをにおいで察知しています。
また驚異的な嗅覚は食べ残しのチェックだけでなく縄張りの判別にも役立っているんです。
猫は自分の肉球から出る汗などのにおいを縄張りにつけているので、そのにおいを感知して『ここはアイツの縄張りかぁ』と判別しています。
猫がにおいで判別する事というのは多く
・飼い主かどうか
・自分の所有物かどうか
・食べられる物かどうか
・異性の発情
・猫同士の上下関係
といった事をにおいを頼りに判別しています。猫の鼻について詳しいことは[猫の鼻の不思議!意外と知らない秘密と病気もわかる?]を参照してください。
猫の舌の特徴は?
猫の舌は食事だけでなくブラシ代わりとしても大活躍します。
猫はにおいで食べ物を判別していると書きましたが、猫の舌にも人間と同じように味を感じる味蕾(みらい)という細胞があります。
とは言っても人間と同じように味を感じるというワケではなく甘さはあまり感じません。
詳しくは[猫の舌の秘密!どうしてザラザラしてるの?猫は本当に猫舌?]を参照してください。
猫のヒゲの特徴は?
猫はヒゲで周囲の情報を感じ取っています。
左右に生えている長いヒゲが可愛い猫ですが、このヒゲは触毛と呼ばれる敏感な毛です。
実は猫のヒゲというのは目の上、頬骨の下、口角といった顔の他にも全身にポツポツと生えているんです。
全身に毛を持つ猫は普通の毛の毛根部分にも神経があるので何か当たれば感じ取れるのですが、ヒゲの根元には特に神経細胞が集中しているので僅かな刺激でも敏感に感じ取る事が出来ます。
このヒゲは障害物との距離を測ったり狭いところを通れるのかという判断などに役立っています。
その敏感さは空気の流れでさえも感知出来る程なので猫にとってヒゲというのは生きていく上での生命線とも言えます。
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猫のしっぽの特徴は?
猫のしっぽはバランスを取る為に大切ですが
他にも感情を表す部分でもあります。
猫のしっぽは[猫のしっぽは百面相?しっぽと猫の気持ち!]でも詳しく書いていますが感情を表す重要な部位でもあります。
立てたり、股に巻き込んだり、振ったりと自由自在に動かす事が出来るのですが、猫のしっぽには前後左右に動かす為の4つの筋肉と微妙な動きをする為の8つの筋肉があるんです。
これらの筋肉を使ってしっぽを自由自在に動かしているんですね。
猫の爪の特徴は?
猫の爪は鋭いだけでなく体の重みに耐えられるくらい丈夫!。
猫の爪は人間の爪とはちがって何層にも重なっているので非常に丈夫に出来ています。
猫が壁をグイグイ登っていく姿を見たことありませんか?
猫が垂直の壁をグイグイ登れるのは筋肉が発達しているという理由もあるのですが、なんといっても爪に秘密が隠されています。
猫の爪はとにかく丈夫なので壁の小さな穴などの隙間に引っ掛けても折れる事はなく素早く登る事が出来るんです。
猫の爪に関しては[猫の爪とぎ!上手なしつけと家具を守る便利グッズ!]も参考にしてください。
猫の足の特徴は?
猫の足は筋肉がとても発達しています。
猫の足は筋肉が発達しているので、高く跳んだり、速く走るという事が得意です。
まず、猫のジャンプ力から見ていくと猫は助走なしで自分の体長の5倍の高さまでジャンプする事が出来ます。
体長の5倍というと人間で例えると助走なしでビルの2階に跳び乗るようなものです。
発達した筋肉が強力なバネになって大ジャンプが可能になっているんです。
猫の後ろ足というのは常にひざを少し折り曲げた状態なのですがジャンプする時は更に深く折り曲げて一気に伸ばす事で勢いが強力になります。
次に速く走る能力なのですが、猫は瞬間的に時速47㎞というスピードで走る事が出来ます。
時速47㎞と言えば競技用自転車を全速力で漕いでいる時のスピードです。
どうしてこんなに速く走れるのかというと、猫の常に浮いたかかとに秘密があります。
常にかかとが浮いている事によって地面に着く足の面積が少なくなるので足を素早く地面から離す事が出来るので速く走る事が可能になります。
ただ、このスピードは長距離は無理です。
持久力もないので長距離には向いていません。
さいごに
猫の体には驚くような能力が秘められていて信じられない運動能力に驚かされる事もあります。
これは野生という厳しい環境で生き抜く為に身体能力が人よりも発達しているからなんです。
とくに野生で群れずに単独で暮らしている猫は自分の身は自分で守る必要がありますし自分の獲物は自分で狩らなくてはいけません。
猫の体についてアナタも愛猫を観察すると新しい発見があるかもしれません。