ビー玉のように綺麗で可愛い猫の目は実は病気になりやすい箇所でもあります。
猫の目の意外と知らない秘密と豆知識!で触れているように猫の目は様々な秘密がたくさんあります。
目というのは非常に複雑な造りをしていて、とても重要な器官なんです。
もしも愛ネコの目に異常や損傷が見られた場合は放置せずに早めに動物病院に行くことが大切です。
猫の目の病気って?
猫の目の病気には私たち人間と同じように様々な物があります。
目の以上の中には遺伝性のものもあり、例えば長毛種の猫は涙管を詰まらせやすいと言われていますしアビシニアンやシャムは遺伝的に目の異常を持っていて斜視を持っている割合が高いです。
また遺伝だけではなく、外的な要因によって何らかの目の異常が引き起こされる場合もあります。
猫が起こしやすい目の病気やトラブルを纏めていきたいと思います。
結膜炎(けつまくえん)
結膜炎というのは簡単に言えば目が炎症を起こしている状態で、眼瞼(がんけん)という、いわゆる『まぶた』の内側や眼球の表面を覆う膜の炎症が主です。
結膜炎は片目だけに起こったり、両目同時に発症する場合もあります。
また、急性と言って突然症状が現れる事もありますし、慢性と言ってゆっくり症状があらわれて治療をしても長期間に渡って症状が続く事もあります。
【結膜炎の症状】
目が充血して赤くなりネバネバした目ヤニが出てきたり、やけに猫の瞬きが増えたりします。
涙も増量して、瞼が半開きになっている事もあります。
症状自体は軽度でも猫は目を引っ搔いたり床に擦り付けたりして患部をさらに傷付けてしまう事があります。
【結膜炎の主な原因】
結膜炎の主な原因はアレルギーだったり細菌による感染症、砂や埃による目の損傷などがあります。
外猫の場合は特に砂埃や花の棘などで目を傷付ける可能性は高まります。
結膜炎は猫にとっては危険なものですので特に外猫の場合は日ごろから目に異常が無いか気を付けて観察してあげましょう。
【診断と治療】
診断は猫の目についている目ヤニなどを綺麗に取り除いてから検眼鏡で目の様子や結膜の状態を調べる方法が多いです。
治療は結膜炎の原因によって違いますが、眼軟膏や点眼タイプの抗生物質などが用いられる事が多いです。
どの方法の治療になっても医師の指示通りに最後まで行うのが基本です。
良くなってきたからと勝手に治療をやめてしまう飼い主さんもいますが、治療を怠ると最悪の場合再発を繰り返して完治が困難になってしまいます。
猫の目が充血していて、目の中に明らかに異物が入っているとしても勝手に取り除くと目の損傷を拡大する可能性が高まるので動物病院で取り除いてもらいましょう。
流涙症(りゅうるいしょう)
流涙症は簡単に説明すると涙が溢れるという状態です。
涙というのは目の中にあるゴミなどの異物を流してくれる重要な役割を果たしてくれる物なのですが
時に涙が目の異常による流れ方をすることがあるんです。
【流涙症の症状】
涙が顔の表面に溢れ出てしまうのが主な症状で
原因は目と鼻の間にある涙管という管を通って目から流れる涙が
何らかの理由によって涙管の流れが妨げられてしまい顔の表面に溢れ出てしまいます。
通常だと鼻へと流れて排出される涙が排出できなくなり絶えず溢れてしまいます。
涙は目頭から溢れる事が多く目の下の毛が常に涙によって汚れてしまいます。
【流涙症の主な原因】
涙管が閉塞してしまっているのが主な原因で、ウィルスによる感染や県家や事故による顔の損傷
過剰な粘液の生産によって起こる事が多いです。
ペルシャ猫のように花が低い平べったい猫は比較的涙管が詰まりやすい傾向があります。
また、結膜炎や角膜炎によって眼輪筋の機能が低下した事が原因となる場合もあります。
【診断と治療】
流涙症の診断は単純に涙管が閉塞しているのかを調べます。
涙の分泌量を調べる専用の涙液試験紙というものがあるので、それを使って涙の量を調べます。
治療は結膜炎や角膜炎などのほかの病気が原因の場合は、原因となっている病気の治療を優先させます。
炎症などの場合は涙腺を詰まらせているものを洗い流す涙管の洗浄を行う場合もあります。
感染症が原因の場合は軟膏や点眼薬による治療を行います。
流涙症は珍しい病気ではないので、どの猫でも起こりうるので軽く考えずに早めに病院へ行きましょう。
角膜潰瘍(かくまくかいよう)
角膜潰瘍は直接的に命に関わる病気ではありませんが
眼球を覆う角膜が損傷を受けるなどした時に潰瘍が出来る事があります。
【角膜潰瘍の症状】
瞬きが増加したり、目が充血するなど結膜炎に似た症状があります。
ぱっと見では結膜炎と角膜潰瘍の見分けは難しいのですが、角膜潰瘍の場合
猫が明るい光を避ける事があります。
【角膜潰瘍の主な原因】
角膜潰瘍の原因の多くは目を引っ掻いたり、目の中の異物などによって起こる損傷です。
基本的にどの猫にも角膜潰瘍が起きるのですが、特に年齢が進むほど発症の確率は高まります。
目に潰瘍が出来ると痛みが強いので猫は不快感や大きな苦痛を味わいますので早めに治療してあげましょう。
命に直接関わらないと言っても重篤になると角膜が破れて思いダメージになる事もあります。
【診断と治療】
角膜潰瘍の診断は目に蛍光色素液というものを点眼して特殊な光を当てることで判断します。
潰瘍があれば、色素液から蛍光が発せられるので潰瘍を目視する事が可能になります。
治療方法は基本的には抗生物質による治療が一般的ですが
状態によっては潰瘍部分の切除などを行う場合もあります。
緑内障(りょくないしょう)
眼球の中にある眼房水(がんぼうすい)は本来は一定の量に保たれているのですが、眼房水を排出出来なくなることで
眼球内部の圧『眼圧』が以上に高くなる病気です。
緑内障になると視野が狭まり進行すると最終的には失明に至ります。
【緑内障の症状】
緑内障は初期症状は少ないので早期発見が難しい病気です。
ところが、進行してくると目に痛みを感じ猫はしきりに目を気にするようになります。
よく観察をすると瞳孔が大きく開いた状態が続き光を避けるようになります。
さらに進行すると目が腫大して飛び出すように大きくなり視力が低下していき最終的には完全に失明します。
【緑内障の主な原因】
緑内障の主な原因は水晶体がズレてしまう『水晶体偏位』です。
眼圧が上昇して視神経を圧迫して障害を起こします。
他の目の病気によって引き起こされることもありますし、外傷が原因でも起こります。
【診断と治療】
診断は主に眼圧の測定などが行われ、緑内障と確定すると眼圧を下げるための点眼や内服薬治療を開始します。
進行具合によっては点眼や内服薬で眼圧が下がらない場合もあるので
その場合は手術によって眼圧を下げる場合もあります。
緑内障は初期症状があまり無いので早期発見が難しいですが、余りにも発見が遅れ重度になると完治しないこともあります。
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白内障(はくないしょう)
目の中の水晶体が白く濁ることで、白内障は片目だけ発症することもあります。
白内障を発症した猫は普通にも物を見る事が出来なくなります。
白内障は進行性なので、多くの場合で徐々に進行していきます。
【白内障の症状】
白内障は目が少し灰色に変色することが始まりです。
白内障は遺伝で発症尾するケースもありますが、母猫が妊娠中に極度に栄養不足が原因で発症する場合もあります。
その場合、生後数週間で白内障を発症し2歳程度で失明に至る猫もいます。
白内障が進行してくると当然通常のっ生活を送ることも困難になりよく物にぶつかるようになります。
【白内障の主な原因】
一般的に年とともに白内障が発症することは自然な事ではあるのですが外傷によって眼球内の血液の循環が損なわれた場合にも白内障を起こします。
遺伝も一つの原因ですし、母猫の栄養状態も原因の一つですので白内障の発症の原因は多岐に渡ります。
【診断と治療】
診断は検眼鏡を使って角膜や水晶体の状態を検査します。
治療方法は硫黄を使って水晶体の濁りを取ることもありますし
原因が損傷や加齢の場合にはドクニンジンというものを用いて治療を行います。
状態によっては水晶体の摘出手術を行う場合もあります。
網膜剥離(もうまくはくり)
眼球の内側の裏にある網膜という光を感じる部分が剥がれてしまうことを網膜剥離と言います。
網膜はとても薄い膜なのですが、とても重要な膜ですので放置は危険です。
進行性ですので、放置していると失明してしまいます。
【網膜剥離の症状】
網膜剥離は基本的には痛みがないので自覚症状はない場合が多いです。
徐々に進行していくので飼い主が異変に気付いた時にはすでに失明していたり、かなり剥離が進行しているケースが多いです。
人間の場合は網膜剥離になると蚊が間の中に飛び回っているように見える『飛蚊症』が現れますが
猫は飛蚊症が現れても、それを飼い主さんに伝える事が出来ません。
網膜剥離も早期発見が難しいと言えます。
【網膜剥離の主な原因】
網膜と脈絡膜の間に炎症が起こり発症する事もありますが
網膜剥離の原因で多いのは事故などによる頭部や顔面への強い衝撃です。
強い衝撃によって網膜が剥がれてしまうケースが多いです。
【診断と治療】
網膜剥離の治療は剥がれてしまった網膜をもとに戻す必要がありますが、実際には有効な治療法はないです。
中心性網膜変性症(ちゅうしんせいもうまくへんせいしょう)
夜間に目が見えなくなる夜盲症で、進行すると失明に至る病気です。
タウリンという猫には必須のアミノ酸が欠乏すると発症すると言われています。
というのも、猫は体内でタウリンを合成出来ないので毎日の食事から摂取しなければいけません。
この食事からのタウリン摂取が上手くいかないと発症の大きな原因になるんです。
【中心性網膜変性症の症状】
初期症状は見られず、発症に気付くのは難しいです。
進行すると夜盲症の症状が現れて、さらに進行すると昼間でも視力障害が起こります。
最終的には失明に至ってしまいます。
初期症状がないため、早期発見が難しくたまたま眼底検査を受けて発見される事がある程度です。
【治療】
治療はすでに発症してしまった場合には有効な方法はありません。
ですので、予防が大切で、予防には高タンパクな動物性の餌を与えるのが好ましいです。
基本的には市販されている餌のほとんどには十分なタンパクとタウリンが配合されていますので
発症はレアなケースと言えます。
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さいごに
猫の目というのは最近に感染したり傷つきやすい部分です。
ところが、実際に猫を飼っているとしても猫の目をじっくりと毎日観察しているという飼い主さんは殆どいないのではないでしょうか?
たいていの場合は猫の目や視力に明らかな異変があってからはじめて気にしだすはずです。
その時には症状が進行していてしまっている場合が多いと思いますが
これはある意味では仕方のないことかもしれません。
勿論、早期発見してあげることが理想的ではありますが、現実問題として簡単ではないです。
ですので、猫の目や視力に異変を感じた段階で素早く動物病院へ連れて行ってあげてください。