『フーッ!』『アォーァ!』なにやらただ事ではない猫の鳴き声が外から聞こえてきた事はありませんか?
まるで猫とは思えないような恐ろしい鳴き声に不気味な気持ちになったという経験もあると思います。
これは猫の喧嘩の現場なのですが、猫の喧嘩には法則やルールといったものが存在する事は意外と知らないのではないでしょうか?
猫の喧嘩にまつわる法則やルールといった意外な事実をご紹介していきたいと思います。
猫の喧嘩とは?
猫の喧嘩と言っても程度は様々でじゃれあっていたり、ちょっとしたライバルと前足で打ち合うという喧嘩など。
そういった喧嘩は本気の喧嘩ではなくて、喧嘩の訓練だったり軽い揉め事のようなものです。
では猫が本気で喧嘩をするとどうなるのでしょうか?
またどんな時に本気の喧嘩になっていくのでしょうか?
猫はどんな時に本気の喧嘩をするの?
猫の喧嘩が起こる法則というのは人間の喧嘩をさほど変わりません。
例えば喧嘩をしやすい猫というのは年配猫よりも若い猫ですし、メスよりもオスが圧倒的に多いです。
そして猫が喧嘩をしやすいのは住んでいる環境によって変化して、田舎暮らしの猫よりもそれぞれの縄張りが接近していたり重複している都会暮らしの猫の方がよく喧嘩騒ぎを起こします。
その喧嘩の原因のほとんどはメスの奪い合いや縄張り争いです。
『俺が目を付けてたメスに手を出すな!』『オレの縄張りで勝手な事をするな!』という人間みたいな理由で喧嘩が始まる事がほとんどなんですね。
縄張り争いとは言っても相手の猫が顔見知りだったら喧嘩に発展する事はなく鼻や肛門の匂いを嗅いで挨拶を交わして平和的にやり過ごす事になります。
しかし顔見知りではない、はぐれ猫が縄張りに侵入してきた時は本気モードの喧嘩に発展します。
本気モードの喧嘩は侵入者を見つけると足を思い切り伸ばして背中の毛を逆立てて体を大きく見せながら向かっていきます。
相手の1メートルほどの所まで接近すると目を見つめながら斜めの態勢から睨み付けながら噛み付く姿勢を取って威嚇します。
それでも相手が引かなければ攻撃を開始するのですが、ここでお互いの力が拮抗(きっこう)していると判断した場合は威嚇しあいながら膠着状態(こうちゃく)に突入します。
そしてどちらかの猫が飛びかかる事で戦闘が開始されます。
猫の本気の喧嘩は凄まじく、噛みつき、引っ掻き回し、蹴飛ばしとあらゆる攻撃で激しくやりあいます。
しかし攻撃行動は長時間にはならずに、すぐに再び距離を取って睨み合うという事を繰り返すんです。
自分の強さを感じて降参してくれるのを期待しているのですが、それでも両者一歩も引かない場合は第2ラウンドが開始されます。
猫の喧嘩の勝敗はどう決まるの?
猫の喧嘩は、特に若いオスはしょっちゅう喧嘩をしていますが、激しい喧嘩の割にはそれが原因で命を落とすという事はありません。
狩りとは違って同種の喧嘩というのは相手の命を奪うとか、立ち上がれないくらいに瀕死の重傷を負わせる事が目的ではないからです。
猫の喧嘩の決着というのは、力の差が明らかな場合はすぐに終わるのですが、お互いに力が競っている時は最終的には体力勝負になります。
そして『もうムリにゃ』と諦めた方は地面に伏せて耳を倒し相手の威嚇に応じない事で『参りました』と敗北のサインを出します。
これを見た勝者は攻撃をやめて場を立ち去ります。
負けた猫は勝者が意気揚々と引き上げていくのを見届けてから立ち上がって、その縄張りから撤退していきます。
これで猫の喧嘩は終了です。
どうして喧嘩になるのに縄張りに侵入するの?
よその縄張りに侵入するという事は喧嘩になるという事は流石の猫も十分理解しているはず。
それなのに、どうしてよその縄張りに侵入する猫が後を絶たないのでしょうか?
これは【野良猫社会の裏側!】でも書いたようにオス猫は大人になると生まれ育ったテリトリーを追い出されて自立しなければなりません。
これはオス猫特有の事情で、自立する為に自力で縄張りを手に入れないといけないんです。
しかたなく放浪しなければならないですし、そうしないと自立出来ないんです。
それで若いオス猫はあっちこちでケンカを繰り返しながら、やがて周囲の猫に認められて縄張りの仲間入りが出来るんです。
猫のケンカの声を聞いた時は『若いオスが頑張ってるんだな』という見方をすると猫のケンカを見る目が変わるかもしれませんよ。
猫のケンカは実はオスよりメスの方が激しい?
しょっちゅう喧嘩をしているオス猫でも喧嘩の暗黙のルールは破る事はなく、越えてはいけない一線は越えません。
基本的に猫は争いごとは好まないので本当は闘いになる前に威嚇で追い払いたいというのが本音です。
睨み合いの段階で相手が退散しても勝った方は深追いはしません。
ところが発情期のメス猫は好みではない発情期のオス猫からしつこく求愛されるとオスもビックリの大喧嘩を仕掛けます。
発情期のメスは気が荒くなっているので激しくやりあって時には血を見る喧嘩に発展します。
それでもどんなに激しい喧嘩をしても相手の目に爪をたてるという事は避けるなど暗黙のルールをないがしろにはしないのです。
喧嘩の最中に突然休憩する理由とは?
基本的には平和主義で争いはなるべくなら避けたいという考えですが、見知らぬ猫と鉢合わせで目が合い相手も目をそらさないとなると闘いになってしまいます。
ところが猫の喧嘩はなかなか決着がつかない場合、突然『休憩』する事があります。
それまで激しく喧嘩していたのが嘘のようにお互いに距離を取って座り込み毛繕いをする事さえあります。
喧嘩の最中に毛繕いなんて随分呑気な喧嘩だなぁと思いますが、肝心の猫は別に喧嘩している事を忘れてしまっているワケではありません。
実力が拮抗しているギリギリの喧嘩の緊張感をほぐすためにリラックスしようと毛繕いをしたり休憩したりしているんです。
この休憩は突然始まり突然終わるので、再び威嚇しあって熾烈な喧嘩が再開すらるというワケです。
新入り猫との喧嘩は止めるべき
猫の喧嘩は何も野良猫だけのものではありません。
ペットとして新しい猫を迎える時に先住猫と新入り猫が喧嘩をするというのは珍しくないです。
先住猫にしてみれば新入り猫は自分の縄張りへの侵入者になりますし、逆に新入り猫にしてみれば縄張りでの共存権を獲得する必要があるからです。
室内という縄張りの中でお互いの存在に対して折り合いをつける為に必要な喧嘩でもあるので一度思い切り喧嘩させるのが良いでしょう。
喧嘩によって折り合いがつけば喧嘩をする必要がなくなるので喧嘩という争いはなくなるでしょう。
その後にお互いの猫がどう折り合いを付けたのかは、その猫達次第です。
お互いを認め合って共存する道を選ぶ事もあれば、お互いを無視しあうという結論を出す場合もあります。
お互いを無視しあうという結論になったとしても、それは仕方のない事です。
それも猫の暗黙のルールの一つなのですから。
オス猫の兄弟は喧嘩も協力しあう?
オス猫の喧嘩というのは熾烈な闘いになりますが、オス猫の兄弟は喧嘩する時にタッグを組んで敵を攻撃する事があります。
一般的に生後1歳半まで一緒に過ごした兄弟の場合は仲が良く、寝るのも一緒で縄張り争いをする事もほとんどないです。
仮に自分たちの縄張りに侵入してきた猫が居た場合、兄弟猫はタッグを組んで侵入者を攻撃するんです。
ただ、この状態も永遠に続くワケではなく、いずれ兄弟猫でも縄張り意識が膨らんで縄張りを主張しあってお互いに自立していく事になります。
猫の喧嘩まとめ動画
両方共YouTubeからの出典動画で、一つ目の動画は猫の喧嘩の動画で、二つ目の動画は飼い主が飼い猫の首輪にカメラを付けた所猫の視点で喧嘩の動画が取れたという貴重な動画です。
猫の喧嘩にもルールがあって、また喧嘩するのは荒くれ者というワケではなく仕方のない事なんですね。